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Emonda SL5 Disc 2021を軽量化する: SRAM RED 22 + Equal 機械式ディスクブレーキ 組み付け その3

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BBが外れました。結局自分ではなんともならなかったので、購入店に持ち込んでプロにお任せしました。 外したプラクシスワークスのBB。多分もう使うことはありませんが、念の為に保管しておきます。 BBが外れたので、気を取り直してアウターワイヤーを通していきます。ヘッドチューブからワイヤーを内装するフレームなので、シフトワイヤーとブレーキワイヤーがフレーム内で交差しないように位置関係を考えながら試行錯誤。Equalの機械式ディスクブレーキキャリパーにはハンドルバー周りなどの曲げのきつい場所用の柔らかいアウターと引きの軽さを優先した硬いワイヤーの2種類が付属しています。ダウンチューブ内で柔らかいアウターと硬いアウターを接続するのが普通であろうと思いますが、引きが軽くなるように全てハードアウターで組んでみることにしました。ヘッドチューブに入る箇所はかなり小さな半径で90度程度曲げることになりましたが、上手に収めることができました。ステムとハンドルは昔のMadone 4.5用に使っていたBontragerのXXXカーボンを流用しているのでハンドル下からブラケットの内側に入るようにルーティングしました。空気抵抗を低く抑えるには最近の完全内装タイプのハンドルバーが望ましいと思いますが、アウターを通すのも大変そうですし、レバーの引きも重くなるのではと想像しています。 ブレーキワイヤーの出口とキャリパーのワイヤー受けの位置関係はよく考えられていて、最小限の曲げで挿入することができます。しかしながら、このアウターの硬さは相当なものなので、キャリパーを先に固定してからアウターを挿入するのは至難の業です。頑張れば不可能ではないと思いますが、キャリパーをフォーク、フレームから外した状態でアウターを挿入してからボルトで固定する方が楽に作業できるでしょう。この場合でもアウターワイヤーの反発が強いのでディスクローターに対してベストな位置にキャリパーを固定するのはなかなか大変な作業でした。きちんとキャリパーとローターのセンターを合わせるために何回も締めて、緩めてを繰り返しました。センターだけではなく、パッドとローターを綺麗に平行にしないとブレーキのフィーリングが悪くなるので根気の必要な作業です。 いつもはシフトワイヤーも内側を通すのですが、ブレーキワイヤーの邪魔をしないように外側を通すことにしました。

Emonda SL5 Disc 2021を軽量化する: SRAM RED 22 + Equal 機械式ディスクブレーキ 組み付け その2

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  さて、前回は裸にしたフレームに新しい機械式SRAM Red 22コンポーネントとEqual機械式ディスクブレーキを仮に組み付けるところまできました。 次の手順としてはシフトアウターとブレーキアウターを通して長さを決める作業になるわけですが、Emonda SL5はアウターがヘッドチューブから前後のディレーラー、ブレーキまで内装されるフレームなので、まずBBを取り外す必要があります。 Emonda SL5のBBはまた増えたBB規格の新種インターナルのT47です。これまでのTREKのカーボンフレームでは頑なにBB90が使用されていました。BB90はBB30やスペシャのOSBB同様、音鳴りの原因となるなど、評判の悪いベアリングを直接フレームに圧入する方式でしたが、個人的にはあまり悪い印象はありませんでした。と言うのも、初めて購入したロードバイクMadone 4.5(2012)のBBがBB90だったわけですが、特に不具合なくずっと使っていたという事情があります。今も手放すことなく手元にありますが思い出深い1台です。5年ほど乗っていて、ベアリングに引っ掛かりを感じるようになったので交換用のベアリングを用意してそのまま組まずに放置してあります。 2021年モデル以降のEmondaのBBにはインターナルT47が採用されたわけですが、シェル幅が85.5mmとBB90の90mmに近く、ネジ切りなのでメンテナンス性が高いと評判は上々です。しかしながら、ここに落とし穴がありました。 こちらは完成車に着いてきたプラクシスワークスのT47インターナルBBです。シマノの24mmスピンドル用です。 ベアリングにゴミが入らないようにするオレンジ色のシールを外したところ。印刷されている通り右側が逆ネジで左側が正ネジなので、外す場合は向きを間違えないようにご注意ください。 プラクシクワークスの純正工具を買って外そうと思いましたが、どこのお店で聞いても納期未定で、ParktoolのBBT-35が同じ寸法で使えそうなので探して購入しました。 寸法は予想通りピッタリでした。 車のメンテナンス用に使っていたソケットレンチのハンドルに差し込んで回す! が、外れません。びくともしません。 そもそも工具が引っかかる幅が2mm足らずしかないので、しっかりと力をかけることができません。メンテナンススタンドではフレーム

Emonda SL5 Disc 2021を軽量化する: SRAM RED 22 + Equal 機械式ディスクブレーキ 組み付け その1

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 いよいよTREK Emonda SL5 Disc 2021の軽量化も最終段階を迎え、揃ったパーツを組み付けていきます。 ブレーキキャリパーは、GrowtacのEqual機械式ディスクブレーキキャリパーのグレーです。グレーとは言いますが、かなり濃いグレーでMacbook Proのスペースグレーどころではない濃さです。他にもピンク、レッド、ブルー、ゴールドのバリエーションがありますが、シルバーとブラックのEmonda SL5にはやっぱりこのグレーが似合うはず。 コンポーネントは最早旧型になったSRAM RED 22です。コロナ禍の品不足で一式揃えるのに苦労しましたが、幸い52−36のクランクセットとは11−26Tのスプロケットは以前購入して使っていなかった買い置きがありました。なので、追加で必要だったのはレバー、FD、RDの3点でした。FDがなかなか見つからずかなりの時間を要しましたが、方々の販売店を探して周り、2つゲットすることができました。2つ目はローラー専用になっているAllez SprintのFD(SRAM Force)が汗で錆びてきているので、ダメになった時のための予備です。 こちらが作業前のEmonda SL5。ホイール、その他のパーツは交換済みですが、完成車で購入した時のまま、105の油圧ディスクブレーキ用コンポーネントが一式装着されています。ブラケットの存在感が凄いですね。私は手がとても大きい方ですが、ブラケットは小さい方が好みです。ビギナー向けの完成車ですが、クランクまでシリーズ外の製品にせず105で統一しているところはTREK頑張ったなと思いますが、鉄下駄ホイールも含め、9kgを超える総重量はいただけません。画像の状態の重量は、ホイール、ハンドル、ステム、シートマストが全てカーボンに交換済みで、サドルもFizikのArione 00に換えてあるので、ペダル込みで8kgを少し超える程度まで軽くなっています。 レバー FD(チェーンキャッチャーとシフトワイヤーのテンションアジャスター付き) RD(ショートケージ) ブレーキキャリパー まずは、既存の105を外します。 ホローテック IIのクランクを外す際に欠かせないのがParktoolのBBT-10.2(https://amzn.to/3ruAV4r)。シマノ純正の TL-FC16は大きなトルクをかけら

Emonda SL5 Disc 2021を軽量化する: SRAM RED 22 + Equal 機械式ディスクブレーキ

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さて、1年以上かけてのんびりと軽量化を進めてきたEmonda SL5ですが、ようやくゴールが見えてきました。今回はコンポーネントを交換します。 Emonda SL5はエントリーグレードの完成者ゆえ、標準装備のコンポーネントはシマノの105 R7020です。変速性能やブレーキの性能は全く問題ないものの、油圧ディスクブレーキなのでブラケットが大きく、重量も2500gに迫るものであり、ハイエンドのグループセットと比較すると500g程度のデッドウェイトを背負っていることになります。そもそも軽さを求めるのであれば初めからSLRのフレームセットを選ぶべきですが、SL5のカラーリングを気に入ってしまったことと、購入したタイミングにおいては予算的にSLRのプロジェクトワンを選ぶのは厳しかったという事情がありました。 軽量化を図るにあたり、まず候補に挙げたのはSRAM Red 22の機械式変速&油圧ブレーキシステムでした。コロナ禍ゆえ在庫のあるショップがほとんどなく、毎日WebでSRAM取扱店の在庫状況をウォッチしてポチる寸前までいきましたが、なかなか必要なパーツが揃わず悶々とする日々。 そんな中、SRAM Force 1の油圧ブレーキを使っているシクロクロスのオイル交換をしました。そこで感じたのが「やっぱ油圧はめんどくさい」。ワイヤー引きと違ってホースを極端に曲げてもレバーの引きが重くならない、軽い力でしっかり減速できるなどのメリットは理解しつつも、自分でメンテナンスする派としては油圧ブレーキの整備は好きになれないものでした。しかも油圧ブレーキシステムはブラケットが大きく重くなるというおまけ付きです。 そこで俄に候補に上がってきたのがGrowtacの手がけるEqualの機械式ディスクブレーキキャリパーでした。ブレーキパッドが片押しなのはマイナスポイントですが、Webでの評価を見る限りにおいては、ワイヤー引きであることによる性能的なデメリットは無視できるレベルで、調整のしやすさやシステムトータルでの軽量化というメリットの方が上回るものと感じられました。唯一の懸念点はEmondaはステム下からヘッドチューブにケーブルを内装するフレームなので、ケーブルの曲げがキツくなることによってブレーキレバーの引きが重くなるのではないか?という点でした。それは杞憂に終わるのですが、詳しくは後述。 ブレ

Emonda SL5 Disc 2021を軽量化する: スプロケット

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サドル、シートマスト、ホイールなど、着々と軽量化を進めていたものの、コンポーネントをワイヤー変速にするか電動変速にするか、油圧ディスクブレーキのままにするか機械式ディスクブレーキにするか思案している間にコロナ禍による全世界的な自転車パーツの供給不足が始まってしまい、欲しいパーツが入手でず、結果として軽量化の方向性も定まらず、一年以上ほったらかしになってしまっていたEmonda SL5ですが、ようやく行先が見えてきました。 コンポーネントについては別途詳しく書くとして、本日のお題はカセットスプロケット。完成車で購入したEmonda SL5にはShimanoの105のコンポーネントがが付属していました。スプロケットも廉価版ではなくちゃんと105。完成車パッケージの立ち位置的にビギナーを意識してかフロントが50−34でリアが11−30の軽めの設定。ホイールは純正の鉄下駄からFulcrumのSpeed 40 DBに交換したものの、スプロケットはそのまま使っていました。 今回は軽量化が目的なので最大ギアは小さい方がいい。なので、何年か前に購入してからずっと在庫になっっていたSRAM Red 22の11−26を投入することにしました。 Intermaxのサイトより引用  PowerdomeXテクノロジーにより超軽量、高剛性を誇る11速用カセット。トップとロー以外はビレットクロモリスチールから削り出される中空構造。それぞれの歯の間にステルスリング・エラストマー処理を施し、無駄な振動とノイズを除去しています。SRAM RED eTap/RED22リヤディレイラーとの組み合わにより、無駄のない動力伝達とスムーズなギアチェンジを実現。パフォーマンスの高さを実感させる操作性と静かな乗り心地を提供します。 説明に違わず、手に取るだけで圧倒的な軽さが実感できます。実測でも160gと超軽量。 取り外した105の11−30は294gでした(ウェスの重量は含まず)。 なので、重量差は134g。同じギア比の11−30だったとしても185gなので109gの軽量化になります。 11−30の場合カセット側から見ると140mmのブレーキローターがほぼ見えません。 11−26だとしっかり見えますね。もちろん実走行においてはより重いギア比になりますが、富士ヒルなどのレースではインナーローを使うことはないので問題